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お月見に、すすきを飾るのはなぜ?神様への祈りや魔除けの役目とは?

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お月見には、すすきを飾ってお団子を食べるという方も多いと思います。

でも、秋ならきれいなコスモスやキンモクセイを飾ってもよさそうなのに、

「どうしてすすきなの?」と子供に聞かれたことがあり色々と調べてみましたので、

今回まとめてお話しますね! 

 

 

お月見にすすきを飾る理由その1「豊作の祈願」

 

現在では、「中秋の名月」と呼ばれるお月見は、9月の中旬から10月の上旬にあたりますが、

もともとは中国から伝わった文化で、旧暦の8月15日に行われていました。

昔は天候や災害などの影響で、農作物がとれるかとれないかの問題は

人々の生活にとって大変重要なことでした。

 

そんな中8月の15日は、これから稲穂が実るようにという思いを込めて、

満月を豊作の象徴や信仰の対象として、崇めて祈る日だったのです。

 

お供え物として、お団子を供えるまでは、とれたばかりの里芋を

お供えして「収穫の感謝」を表していました。

その後、お米でお団子を作るようになりましたが、

別名「芋名月」ともいわれるのはこのような理由からです。

 

時期的に8月15日にはまだ稲穂が実っていないので、

すすきのフォルムが稲穂が実って頭を垂れている姿に似ていることから、

「豊作の祈願」としてお団子と一緒にすすきも飾られるようになったとされています。

 

 

お月見にすすきを飾る理由その2「魔除け」

 

古代からお月見も含めてその他祭りなどの行事の際に、神がのりうつる対象を

「依り代」といい、植物や樹木、石、人形などが「依り代」となるとされていました。

すすきもそのうちの一つです。

 

すすきは、茎の内部が空洞になっていることでそこに神が入るとされていたり、

葉っぱの形が鋭くとがっていることから魔除けの効果があるとされていたりしました。

 

こうしたことから、すすきの霊的な効果を信仰して、

家の軒下につるして家族の無病息災を祈っていました。

同じく、お正月に飾るしめ縄や門松にも、これと似た役割があると言えます。

 

では、どうして魔除けをするのかというと、

災害などが起こることが、悪霊のしわざであると考えられていたからです。

 

すすきの飾り方、4つのポイント!

 

お月見にススキを飾るときのポイントをまとめてみました。

 

その1「お月様の見えるところに置く」

すすきはお団子と一緒に飾りますが、あくまでも「お月さまへのお供え物」ですので、

縁側やベランダ、窓辺などに飾るのがいいです。

 

その2「本数は奇数本で」

お花屋さんでもこの時期は1本からでも購入できるところが多いと思いますが、

本数は奇数にするのが基本のルールです。

昔から日本人は奇数を吉兆としていますので、1、3、5本くらいがちょうどいいでしょう。

7本以上だとかなりボリュームが出てしまいます。

 

その3「秋のお花も一緒に添える」

すすきだけだと少しさみしげになりますし、花瓶の中で泳いでしまうので、

秋のお花も一緒に添えるとバランスもとれて花瓶にフィットします。

例えば、コスモスやもみじ、秋の七草(ハギ、クズ、ナデシコフジバカマ

オミナエシ、キキョウ)があります。ちなみにススキも秋の七草ですよ。

ピンポンマムも今風で、おしゃれで華やかに仕上げたい方にはおすすめです。

 

その4「水揚げにはお酢を使う」

すすきは意外と枯れやすいので、少しでも日持ちをさせるために

ちょっと特殊な方法として、切り口をお酢につけます。

普通の切り花では、切り戻しといって切り口を新しくすることで、

水揚げの勢いを高めたり、それを水の中で切って断面を空気に触れさせないようにしたりしますが、

すすきの場合には5分ほどお酢につけます。

これは、お酢の力を使ってすすきの繊維を柔らかくして水を吸いやすくするという原理です。

お酢につけたあとは、普通の水につけておけばOKです。

 

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まとめ

 

①お月見にすすきを飾る理由その1は「豊作の祈願」で、すすきの形が稲穂に似ていることから、

月へのお供えに使われるようになった。

②お月見にすすきを飾る理由その2は「魔除け」で、すすきは「依り代」といって神が宿るとされていて、

葉が鋭いので「魔除け」の効果もあるとされていた。

③すすきの飾り方4つのポイントは、「お月様の見えるところに飾る」「本数は奇数本で」 

「秋のお花も一緒に添える」「水揚げにはお酢を使う」

 

古くから続いてきた行事には、それぞれ小さなことでもきちんと意味があるものですね。

意味を知っていれば、行事もより一層大切にしたいという気持ちになります。

ぜひお月見には、お団子だけじゃなくすすきも飾ってくださいね!