知っとく知識

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お盆に飾る「きゅうりの馬」と「ナスの牛」って何の意味か知っていますか!?

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お盆の飾りと言えば、盆提灯に加えて「きゅうりの馬」と「ナスの牛」ですよね。

割り箸やつまようじで足を作っている姿を見たことがあると思います。

私も子供のころに作った記憶があります。

 

今年、実家に帰るときには、そろそろ子供に「あれってなぁに?」聞かれそうなので、

きちんと答えられるように調べました!実は、結構興味深い意味だったのでお話しますね。

 

 

「きゅうりの馬」も「ナスの牛」も「精霊馬」と呼ぶ

 

「精霊馬」と書いて「しょうりょうま」もしくは「しょうりょううま」と読みます。

簡単に言うと、ご先祖様があの世とこの世を行き来するための乗り物です。

 

馬は走るのが早いので、あの世から早くこちらの世界へ来てほしいという思いがあり、

逆に牛はゆっくりとしか走ることができないので、名残惜しんで少しでもゆっくり

あの世へ帰ってもらうようにという思いが込められていて、これらが一般的な解釈になっています。

さらに牛はどっしりしているのでお供え物を持つ「荷物持ち」の役割もあるとされています。

 

でも、地域によっては全く逆の解釈もあるようで、この世へゆっくり来て、

あの世へ早く帰れるようにという意味にしているところもあるようです。

また、二つが対になって合わせて「精霊馬」とする説と、

それぞれ「精霊馬」と「精霊牛」とする説もあります。

 

基本的に、「精霊馬」は関東の習わしで、関西から西の地域ではあまり一般的ではないものですので、

もしかすると、見たことがないという方もいるかもしれませんね。

 

なぜ、きゅうりとナスを使うのか?

 

まず、きゅうりは細長くてシュッとしているので、馬に見立てられていて、

ナスは丸くてぽってりしているので牛に見立てられているというのは、とてもうなずけますよね。

 

そして、どちらも夏野菜ですので、お盆の時期にたくさん採れて

比較的安価に手に入れる事ができるというのも一つの理由です。

それから、どちらも日本中どこの地域でも採れる野菜なので、一般化しやすかったとされています。

ちなみに、食べ物が不足していた時期には藁で牛や馬の姿の人形を作っていたともいわれています。

 

精霊馬の飾り方のポイント

 

現在、一般的なお盆の期間は8月13日~16日になっていて、

会社などもお盆休みでお休みになるところも多いですよね。

これは、もともと旧暦の7月15日(新暦の8月15日前後)にお盆の行事があったためで、

現在でも今の暦での7月15日付近にお盆の行事を行うところもあります。この期間中、精霊馬を飾ります。

 

諸説ありますが、置き方にもこだわりがあって、仏壇とは別に精霊棚を作りの上に精霊馬を置き、

ご先祖様をお迎えする13日は精霊馬の頭が家の中の向きに、

お見送りする16日は頭が玄関の方を向くように置くようにするのが基本となっています。

 

精霊棚とは仏棚とも言いますが、小さなテーブルに真菰(まこも)というござのようなものを敷いて、

仏花やお供えのお菓子や果物などと一緒に、精霊馬も飾ります。

 

精霊馬の処分の仕方

 

お盆のお供え物のお菓子やフルーツは後でみんなで分けて食べるのはOKですが、

きゅうりやナスはもったいないからといって食べてはいけません。

理由は、ご先祖様の乗り物だからです。それ以前に、夏場に、穴をあけた状態で

室温に出しっぱなしにしていたきゅうりやナスは傷んでいますから…(涙)

 

昔は、海や川に流して捨てるという方法が多かったのですが、

今は環境への配慮からあまり好ましくないという意見もあります。

土に埋めるという地域もありますが、塩で清めて、白い紙に包んでゴミと一緒に

捨てるのがやりやすい方法でおすすめです。

お寺によってはお焚き上げなどをするときに精霊馬も一緒に燃やしてくれるところもあるそうです。

 

まとめ

 

①「きゅうりの馬」と「ナスの牛」はご先祖様があの世とこの世を

行き来するための乗り物で「精霊馬」と呼ばれる。

②きゅうりとナスは代表的な夏野菜で、たくさん採れて安価なため広まりやすかった。

③精霊棚の上に、お迎えのときは頭を家の中向きに、お見送りのときは外向きに置くのが基本的な置き方。

④精霊馬は食べてはいけない。海や川に流したり、土に埋めたり、燃やしたりする方法もあるが、

塩で清めて白い紙に包んで家で捨ててもよい。

 

お盆のときにきゅうりやナスで工作をするみたいに楽しめば、

子供にもお盆を教える、いいきっかけになりそうですね。

最近は工作が行き過ぎて、ものすごい大作を作っている人もいるようで物議をかもしています(笑)

なにはともあれご先祖様を思う気持ちがあれば、それが一番大切なことですよね。