夏になると、かき氷やアイスクリームを食べたくなりますよね!
冷たくて美味しいけど、大きく頬張ったら、頭がキーン!と痛くなるのってなんだか不思議じゃないですか?
これは医学的な正式名称で「アイスクリーム頭痛」と呼ばれるもので、
人の体の仕組み上きちんとした理由があるんですが、実はなんと2通りの説があるんです。
今回は、誰もが経験したことのある、冷たいものを食べたときの頭痛について、
その原因や仕組みを分かりやすく説明いたします。
アイスクリーム頭痛の原因その1「脳の勘違い説」
口の中には、三叉神経という口内の感覚を脳に伝える働きをする神経があります。
そして冷たいものを食べると、この三叉神経が刺激されます。
これが、一気に冷たいものを食べると刺激が強すぎて混乱し、冷たさを痛みとして誤った信号の伝達をしてしまいます。
また、脳が信号を勘違いして認識してしまい、痛みの場所も口ではなく脳だと判断して、
この現象が起こるという説です。二つの勘違いが起きているというわけです。
このような、脳が痛みの起こる場所を勘違いする現象を「関連痛」といいます。
アイスクリーム頭痛の原因その2「脳の血管の拡張説」
人間の体には元々、体温を一定に保とうとする働きがありますので、
冷たいものを一気に食べると、急激に冷やされた口の中の温度を上げようと体が反応します。
この反射によって体温を上げるために血流を送り込もうとして、頭に向かう血管が拡張することにより、
頭の血管に一時的に炎症が発生し、三叉神経を刺激して頭痛が起こるという説です。
この仕組みは片頭痛と良く似ているので、片頭痛持ちの人は、アイスクリーム頭痛にもなりやすいといわれています。
かき氷とアイスクリームどちらが頭痛になりやすい!?
正式名称はアイスクリーム頭痛だけど、かき氷の方が冷たいような気もしますよね。
一体どちらが頭痛になりやすいか、みていきましょう。
かき氷は0℃、アイスクリームは-7℃ということなので、温度的にはアイスクリームの方が冷たいです。
ところが、アイスクリームは、気泡や乳脂肪分などを多く含むため、
口の中を冷やすスピードがかき氷よりも遅いんです。
かき氷はダイレクトに口の中を冷やしますので、結果的にはかき氷のほうが頭痛が起こりやすくなります。
アイスクリーム頭痛の予防や対処法3つをご紹介
それでは、アイスクリーム頭痛になってしまった時のすぐにできる対処法をご紹介します!
実際やってみると結構すぐに治まりましたので、
もし、「痛ーいっ!」となってしまったときはぜひ試してみてくださいね。
その①痛いところを冷やす
冷やしたら余計に痛みが強くなるんじゃないの!?と思われそうですが、
実は痛みの出ている場所は血管が拡張して炎症し、神経を刺激して痛みを起こしているので、
冷やすことで、拡張した血管を元に戻し炎症を抑えることができます。
保冷剤や冷たいタオルを、痛みの強いこめかみや側頭部に10秒程度あてるようにしてください。
その②ゆっくり食べる
かき氷やアイスクリームって、一気に口の中いっぱい頬張りたくなりますよね。
そうすると急激に口の中の温度が下がってしまい、頭痛が起こりやすくなります。
なるべく小さなスプーンで少量ずつゆっくりと食べると、
口の中がだんだん慣れていきますので頭痛が起きにくくなります。
その③一緒に温かい飲み物を飲む
要は、口の中の温度が急激に下がるのを避ければOKなので、
コーヒー、紅茶、温かいお茶などを一緒に飲むと効果的です。
飲み物がなければ、下で上あごをなめて保温するだけでも、ましにはなります。
まとめ
①アイスクリーム頭痛の原因その1:脳や神経が、冷たい刺激を痛みだと勘違いする「関連痛」によるもの。
②アイスクリーム頭痛の原因その2:冷たいもので口の中の温度が下がり、体温を上げよとすることで血管が拡張したり炎症したりすることによるもの。
③かき氷の方がアイスクリームより頭痛を起こしやすい。
④アイスクリーム頭痛の予防や対処法3つ
・痛いところを冷やす
・ゆっくり食べる
・温かいものを一緒に飲む
かき氷やアイスクリームは夏にかかせない楽しみでもありますよね。
アイスクリーム頭痛もある意味、風情があるなぁと思うのは私だけでしょうか?(笑)
でも、頭痛が起こる仕組みと、予防や対処法を知っていればもう怖くないですよね!
人間の体ってよくできているなぁとつくづく感じます。
もしまわりでアイスクリーム頭痛が起きている人を見かけたら、ぜひこの雑学を教えてあげましょう!