3月になり、寒さがだんだんと和らいでもうすぐ春を迎えます。
幼稚園や保育園などでは「卒園式」が行われる季節ではないでしょうか。
年長児の保護者の方は子どもの成長を嬉しくもあり、寂しくもあると思います。
私が幼稚園教諭をしていた頃、3月に入ると、
卒園していく子どもたちのことを思い浮かべて
3年間を振り返ることが日課になっていました。
幼稚園の3年間は、子どもたちがとてつもなく成長する大切な時間になります。
入園の頃、3・4歳だった子が卒園することには5・6歳になるわけですし、
この頃に社会性・協調性・人間関係を身に付けて自己を確立していくのです。
その3年間は本当に貴重な時間で、そんな大事な時期に関われることを私は嬉しく思っていました。
色んな思いを抱えて迎える卒園式は『感動』以外の何物でもありませんよね。
特に保護者の方は、私たち以上に胸がいっぱいになる思いでしょう。
卒園式では、保護者の方にも大事な役割りがあります。
それは、『保護者会代表謝辞』というものです。
保護者会の中で卒園する子どもがいる方が代表として選ばれ、
先生方に向けた感謝の気持ちやお礼を伝えるということです。
今回は、保護者代表の謝辞で知っておかないといけないことや、感動する挨拶を紹介します!
謝辞を考える時に気を付けること
謝辞とは、先ほども言いましたが、子どもたちに向けた挨拶ではなく、
先生に向けて書くお礼です。
そこを忘れないようにして、文章を考えるとごちゃごちゃした文にならず、
すっきりまとめられます。
また、時間的には、だいたい3分~5分程度になるように納めないといけません。
長くなると子どもたちが騒ぎ始めたりして感動の場面が台無しになってしまいますので、
『短く簡潔、だけど中身は濃く』というのが理想です。
文章を考える時の基本として、
〇自分が伝えたいことを箇条書きにする
〇段落を分けるとまとめやすくなる
〇浮かんだ文章を書き留めておく
〇起承転結を考える
後は、自分が伝えたい順番に文章を組み立てていくだけです。
最近は、例文集などもネットで調べればいくらでも出てきますのでそちらを参考にするのもいいでしょう。
ですが、例文をそっくりそのまま使うのには反対です。
謝辞を任されるということはそう何度も経験できることではありませんし、
3年間通った幼稚園に親としても思い出があるはずですので、
その思いを先生たちに届けてあげてほしいです。
私個人の意見ですが、「あぁ、例文使ったなぁ」と思った過去があり、
その瞬間に一気に流れそうになっていた涙が止まりました(笑)
先生たちを全員泣かせてやる!くらいの気持ちで文章を考えてみてはいかがでしょうか。
たとえ3分そこらの時間であっても、代表の方が自分で考えてくれた気持ちの届く文章であれば
感動すること間違いなしです^^
誰が聞いても感動するフレーズ集
謝辞で気をつけることや大事なことが分かったところで、
ここからは元幼稚園教諭の私が考える、
感動する・感動したフレーズを紹介したいと思います。
卒園式という時点で、もう既に感動している先生がたくさんだと思います。
謝辞よりも前に子どもたちによる、卒園証書授与や卒園の言葉など、
色々な式辞が行われているので、正直言って謝辞の時には涙が枯れているという場合もあり得ます。
そんな状況でも、感動するスピーチでまた涙がこぼれる場面もありました。
誰でもどんな時でも感動するフレーズは、こちらです。
〇ストレートな感謝を表現
・先生方には、これ以上ない感謝の気持ちでいっぱいです
・どんな時でも正面から子どもたちと向き合ってくれた先生方に感謝します
・ここまで育ててくれた先生方には感謝の気持ちしかありません
・卒園児のこんなにも立派な姿を見れたことに感動しています
など、3年間を通して先生方に1番感謝したいことを、ストレートに言ってください。
ストレートに言われるとかなりグッときます。
〇子どもたちの出来事を振り返る
・入園したのがつい昨日のことのように思い出されます
・3年間の思い出が走馬灯のように浮かんできます
・やんちゃな学年で手に負えなかった子どもたちが、こんなにもたくましくなるとは想像もしませんでした
・行事の時は雨ばかりで残念なこともありましたが、今思えば一生忘れることのない思い出です
・怪我の絶えない子どもたちでしたが、今こうして全員で卒園式を無事に迎えられることが何よりも嬉しいです
その学年にしかないエピソードが必ず何かあるはずですので、その時のことを思い出す内容を考えて、「あぁ、そんなことあったなぁ」としみじみするようなスピーチをしてみましょう。
思い出す文章は先生だけでなく、保護者の方もグッときますね。
〇幼稚園全体に向けて
・この幼稚園に入園したことを誇りに思います
・先生たちがいたからここまでこれました
・楽しい行事がたくさんで、子どもたちの笑顔がとても溢れていました
幼稚園全体に向けてのエピソードなども面白いと思います。
また、園長先生は幼稚園を褒められることが1番の喜びだと思うので、こういった文を入れると園長先生も泣いてしまうかもしれないですね。
これら3つのことを文章のどこかに入れながら考えるとあっという間に3分ほどの文章が出来上がります。
思い出して書いているうちに、何が言いたいのかを忘れないように、
大事なことや最後に締めくくりたい文は書き留めておくようにしてくださいね。
最後に締めくくる文として、綺麗にまとめられる言葉は、
・これからも共に子どもたちの成長を見守っていってください。
・私たちのことをわすれないでください。
・本当にありがとうございました
など、簡単な文で大丈夫です。
また、書き始めと書き終わりには、季語を使った目上の人に宛てる手紙のような文にしてくださいね。
例えば『だんだんと寒さが和らぎ始めました』や『やわらかな春の日差しを感じ、桜の花が咲く季節になりました』、『園長先生をはじめ諸先生方には益々のご活躍を祈念いたします』のような文ですね。
謝辞を書く紙は?準備するものなど
謝辞を頼まれた時には、「どうしよう、何を伝えよう」と文章のことばかりが頭に浮かんで、いざ書こうと思った時に紙がない!ということは、よくある話です。
私の幼稚園では、園で紙と筆を用意して代表の方にお渡ししていました。
その時に、昨年の謝辞も参考にと言って渡すことにしていました。
ちなみに使う紙は、「和紙」です。
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ご丁寧に、式辞用紙と書いて売ってありますので、ご自分で用意が必要な方は、文具屋さんかホームセンターに行ってみてください。
必要な準備物は3つです。
・和紙
・筆ペン
・謝辞を包む袋(式辞用紙とセットになっています)
そして、書いていただいた謝辞は、幼稚園に収めるので代表の方の手元には残りません。
記念に自分の文も欲しいという方がいらっしゃいましたが、さすがに難しかったで、もう一枚書いていただくか、練習で書いたものを自分用にしてもらうか、清書したものを自宅でコピーしてもらうか、という形をとっていました。
最近は、パソコンで一度書いてから、清書して、データで残す方が増えてきているそうです。
確かに、こんなことが出来るチャンスはないので、記念に持っていてもいいかもしれないですね。
これは、実際に謝辞を読んでいる姿を見ていた私からの意見ですが、割と女性の方に頼むケースが多かったように思います。
また読んでいるときに思い出して泣いてしまうという場面も何度も見ました。
涙で文章が良く見えない人も何人かいました。
そうなると、せっかくの良い文章がグダグダに聞こえてしまいがちですので、極力泣かない努力をしてみてください。
泣いてしまったとしても、すぐにまた読み始められるように、文章を何度か家で読む練習もしているといいですよ^^
まとめ
謝辞を考える時には、「先生たちに対しての感謝」を忘れないこと。
思い出話や感謝の言葉をまとめられるように、色んな出来事や伝えたい文章を書き留めておくと分かりやすい文章になります。
ですが、思い出話をあれもこれもと書きつづるのはNGですよ。
それでは、子どもたちの大事な最後の行事を楽しく笑顔で迎えられますように。